【業界研究】専門商社志望者向け、現役商社マンの仕事内容解説

業界研究

僕がOB訪問を受けるときに、
多くの学生さんから質問をされるのが
「専門商社の仕事内容」です。

確かに僕自身も商社に入るまで、
具体的な商社の仕事内容のイメージはついていませんでした。
BtoBのビジネスがメインである商社は、
傍からは仕事内容が見え難いものです。

ここでは、専門商社を志望される方に
具体的な仕事内容の理解を深めていただくことで、
商社への興味が強まり、志望度が高くなればいいなと思います。

本記事は以下のような人にオススメです。

  • これから就活を始め、業界研究をしたい人
  • 商社業界に興味がある人
  • 専門商社での具体的な仕事内容を理解したい人

まずは商社のトレーディングにおける役割のおさらいです。

商社の役割

商流を作る

とってもシンプルに言うと、
「企業と企業の間に入り、商流を作る」
という役割です。

一般的に下図のようなイメージです。

商社だからできる付加価値

実際の商社の業務では、
商流を作って単品で商品を提供するだけでなく、
お客様のニーズに合わせて付加価値を提供できます。

例えば、
「メーカーA」という企業の
「商品①」を買いたいお客様がいるとします。

ここで、「商品①」は単品で使うより、
「商品②」、「商品③」とセットで使う必要がある場合、
商品①、②、③をパッケージにして提供することで
付加価値を作ることができます。

身近なもので例えると、
私たちがiPhoneを買いたいとして、
iPhone単体で使うだけでなく、
充電用ケーブルや充電器も使うことになります。

ここで、iPhoneを上記の「商品①」とし、
ケーブルを「商品②」、充電器を「商品③」と考えます。

iPhone単体で買うよりも、
ケーブルや充電器もセットで買えると
他で探す手間が省けて良いですよね。

このように
付加価値を商社が商流の中に入ることで付ける
ことができます。

最善価格に調整する

また、商品①、②、③に対して、
必ずしも商社は川上側のメーカー1社のみと
取引するわけではありません。

商品①に対してはA社・B社・C社、
商品②に対してはD社・E社、
商品③に対してはF社・G社・H社など、
下記の図のように1つの商品に対して
複数企業と取引をし、相見積を取ります。

その結果、お客様の要望に対して、
最善の商品を最善の組合せで提供が出来ます。
これは他の業界ではできない、
商社ならではの仕事かと思います。

商社って必要?身近なもので例えると

しかし、
「ただ企業の間に入って、物を売るだけであれば、商社って必要なの?」
と思う方もいると思います。

実際に「商社不要論」が世に出た時期もあったようです。
ただ、結果として必要であるから商社が残っていることは言えます。
これは身近なもので例えてみると、
商社の必要性のイメージが湧くと思います。

例えば就職活動で多くの学生さんが使用する
「就職情報サイト」が身近なもので
似たような役割を果たしていると思います。

「就職情報サイト」を使用することで、
興味を持った企業が1社あったときに
同じ業界の企業の情報も探し易くなったり、
サイトを通して選考エントリーが可能であったりします。

こういった就活情報サイトを使わずに、
自分で企業を探して、自分で直接企業に履歴書を送って
選考を受けることも可能かもしれません。

しかし、そうしますと企業・業界研究に手間が掛かりますし、
そもそも企業が選考を受けてくれるかもわからないですよね。

このような形で、就活情報サイトは「就活求人の情報」を
「企業」から「学生」に付加価値を付けて提供していますね。

同じように商社であれば、「商品やサービス」を
「企業」から「企業」に付加価値を付けて提供するのが役割となります。

専門商社の仕事内容

業務の分類

さて、続いては
具体的に専門商社での仕事内容
をご説明します。

日常的に取り掛かる業務は
複数の案件を抱えていることが多いので、
やっていることだけを書いても
イメージが付きにくいかと思います、、、

まずは1つの案件の中での業務の分類をご説明します。

  1. 問い合わせ対応(メール・電話・紹介)
  2. ヒアリング(打合せ、メール・電話でのやり取り、現地調査)
  3. 検討・見積
  4. 受注
  5. 納品

僕が普段行っている業務では1~3が多く、
これを複数案件進めながら
4、5に進んだお客様の対応もしていきます。
(あくまでトレーディング業務の一例なので、
企業によって内容や分担がことなる可能性があります。)

1日の仕事例

例えば、案件a・b・cを同時に抱えているとして、
「案件a」における上記の業務1~5のうちの「業務1」を
「a-1」と表記するとしますと、
一日の仕事例のようなものは以下のようになります。

 9:00‐9:30  メールチェック・今日の業務内容確認
 9:30-11:00  案件a-業務3(商品選定、メーカー問い合わせ等)
 11:00-12:00 案件b-業務1(電話の問い合わせ対応)
 12:00‐13:00 昼休憩
 13:00‐15:00 案件c-業務2(Web打合せ)
 15:00‐18:00 案件a-業務3(御見積書の作成)

また、日によっては以下のような日もあります。(笑)

 9:00‐12:00  車で移動
 12:00-13:00 昼休憩
 13:00-14:00 お客様先で打合せ
 14:00‐18:00 車で移動(直帰)

川上側の商品・サービスの開拓

ここまでは、
商流において川下側となる、
お客様に商品を売る際に
携わる業務の話でしたが

商社の仕事では、商流の川上側にあたる
商品・サービスを新しく開拓する業務もあります。

  • 「市場調査・メーカー調査」
  • 新規商品の「メーカーとの打ち合わせ」
  • 企業や大学と「新規商品の共同開発」

といったことが含まれます。

どんな人が向いているか

結論、どんな人でも向いていると思います。
就活においては、
「商社の特徴」
「自分の長所」
リンク出来れば、理屈としては充分だと思います。

ここでは、
転職して専門商社に入った僕が感じる
他業界との違い、
客観的に見た商社の特徴
について話していきます。

他業界との違い

僕は前職で、メーカーやプラントの
設計という仕事をしていました。

商社に転職して、
「自分に向いてるな」とも
「自分に向いてないな」とも
思ったことはありません。

大前提、日々取り組む業務レベルでいうと、
他の業界や職種と大きくは変わらないと思います。
(特殊な専門スキルを要する仕事は別ですが)

前職との違いを、強いて上げるならば
以下のような違いは感じます。

・社外の人とのやり取りが増えた(企業、自治体、学生など)
・関わる企業の数が増えた
・出張が増えた
・出張先も増えた
・関わる案件が増えた
・見積書の作成など、お金関わることが増えた
・展示会に出展するようになった

違いはありますが、商社だからと言って、
特別なスキルが必要なわけではありません。
扱う商品に関する知識は必ず必要ですが、
勉強すれば得られるものだと思います。

客観的に見た商社の特徴

上記のような違いから、
商社の特徴を考えると、

  • 対外的な人
  • 複数のタスクを扱える人
  • 行動的な人

といったものがあげられます。
これらは商社で働く「人」の特徴です。

もう一点、別の観点で
商社の「役割」としての特徴をあげます。

  • グローバルな事業展開
  • 大規模な事業を扱う
  • 会社と会社を繋ぐ役割

これらの、
「人」と「役割」の点を、
ガクチカや自己PRとリンク出来れば、
どんな人でも「商社に向いている!」と言えると思います。

したがって、自分の何が商社像とマッチするか
という目的を持った自己分析をすることが大事になります。
そのあたりは、ESや自己分析、面接対策として書いていきたいと思います。

以上、専門商社の仕事内容でした。
就活をされる学生さんにとって、
商社のイメージが少しでもついて、興味を持って頂けたらと思います。

商社や再エネ業界の情報をXで発信していますので、
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